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【バレエ用語】アラベスクってどんなポーズ?正しいやり方やコツも解説!

バレエ入門

今回の記事では、バレエに関する用語の中でも特に有名な「アラベスク」について解説していきます。アラベスクの概要や正しいやり方など、バレエにおけるアラベスクについて総合的にまとめました。

アラベスクがどんなものか知りたい、アラベスクが上手くできないという方はぜひ参考にしてみてください。

バレエ用語の中でも有名な「アラベスク」

バレエについて詳しくない方でも、一度は「アラベスク」を観たことや聞いたことがあるのではないでしょうか?

クラシックバレエにおけるアラベスクとは、片脚で立ち、もう一方の脚を後方にまっすぐ伸ばすポーズ」のことです。イラストやロゴなどにもよく使用されており、下記のようなイラストを見かけたことがある方も多いかと思います。

アラベスクのイラスト

バレエには数多くのポーズが存在していますが、その中でもアラベスクは認知度の高い有名なポーズのひとつです。

基礎的なポーズだが完璧な修得は難しい

アラベスクはあらゆる振付に組み込まれており、具体例として多くのヴァリエーションは最後をアラベスクで終わります。そのため、バレエを習う者であれば基礎として必ず修めなければならないポーズといえるでしょう。

しかし、完璧な習得が難しいポーズでもあり、指導者として生徒にバレエを教えているようなプロの方でも、油断をすると崩れてしまうことが珍しくありません。

なぜアラベスクは難しいのか?

アラベスクが難しい理由は、体幹や背筋、柔軟性など様々な肉体的要素を求められるからです。

プリエやルルヴェなどのポーズは、見よう見まねでもそれなりの形になります。しかしアラベスクは、見よう見まねでやっても前述した肉体的要素を備えていなければ、形にすることはできません。

アラベスクは後方にまっすぐ脚を伸ばすポーズです。背中にアーチを作れるだけの背筋や柔軟性、伸ばした脚を支えられる体幹がなければ、脚をまっすぐに伸ばすことはできないのです。

アラベスクの種類

アラベスクには4つの種類があります。それぞれ基本的な形は同じですが、客席に対する身体の向きや上げるべき左右の腕に違いがあります。

第1アラベスク

エファッセから始める。客席側の脚を上げ、軸足側の腕を前に出し、もう一方の腕を横に伸ばす。最もポピュラーなアラベスクです。

第2アラベスク

エファッセから始める。客席側の脚を上げ、客席側の腕を前に出し、もう一方の腕を横に伸ばす。

第3アラベスク

クロワゼから始める。舞台側の脚を上げ、客席側の腕を前に出し、もう一方の腕を横に伸ばす。

第4アラベスク

クロワゼから始める。舞台側の脚を上げ、舞台側の腕を前に出し、もう一方の腕を横に伸ばす。

正しいアラベスクって?

正しいアラベスクとは、いったいどのようなものなのでしょうか? 理想的なアラベスクの要件は多岐に渡る上、どれかひとつができていればよいというものではないため、言語的な理解だけで正しいアラベスクができているということは難しいです。

しかし、要件の中でも重要なものを抜粋しそれを参考にすることは、正しいアラベスクの理解において有益であることは間違いありません。

正しいアラベスクにおける重要な要件を、4点に抜粋してご紹介します。

①軸足と上げている脚がきれいに伸びている

まず1つ目は、軸となる脚と上げている脚がきれいにまっすぐ伸びていることです。アラベスクは、伸ばした腕と脚が長い線を描くように、伸びやかに行う必要があります。軸足と上げている脚、両方とも膝が曲がっていてはいけません。

また、足首が「かま足」にならないように注意する必要があります。脚を伸ばそうという意識が強くなりすぎると、足首の外側から巻きこむように力んでしまい、鎌のようにしなった足=かま足になってしまうことがあります。かま足のまま、アラベスクの伸びやかさを表現することはできません。アラベスクは、長い線を描くようにまっすぐに脚を伸ばすのです。

②両肩が水平に位置している

2つ目は、両肩が水平に位置していることです。アラベスクでは、背中全体の筋肉をバランスよく使う必要があり、上手く使えていれば両肩は水平に位置します。使う筋肉が上げている方の脚に偏ってしまったりすると、水平は崩れてしまうでしょう。背中を一枚の壁のようにイメージし、全体を使って脚を上げなくてはいけません。

③骨盤が身体の前を向いている

3つ目は、骨盤が身体の前を向いていることです。これは特に気をつけるべきポイントです

正しいアラベスクにおいて、骨盤は身体の前を向いています。しかし、脚を上げるときに骨盤がついていってしまうことがあります。なぜこのようになってしまうのかというと、骨盤を傾けて脚を上げるほうが簡単だからです(骨盤の形状的に前と横に脚を上げるのは容易だが、後ろに上げるのは骨盤が覆いかぶさっているため難しい)。このやり方であれば、アラベスクの形だけを真似ることは難しくありません。脚も高く上げやすいでしょう。

しかし、このようなアラベスクは誤ったものであり、見た目にも美しいアラベスクとは言えません。骨盤が傾きお腹が見えていることから、「ハラベスク」と揶揄されることもあります。

アラベスクは形だけを真似ようとしてはいけません。正しいアラベスクを行うためには、骨盤の位置を常に意識し、お腹を開かないようにする必要があります。

④上げている脚の膝が下を向いていない

4つ目は、上げている脚の膝が下を向いていないことです。正しくアンディオールができていて、骨盤が前を向いていれば、上げている脚の膝は横を向いているはずです。もし膝が下を向いてしまっているのであれば、バレエの基本であるアンディオールから見直す必要があるかもしれません。

きれいなアラベスクのコツ

アラベスクはバレエにおける基礎的なポーズでありながら、正しく身に付けようと思うと非常に難易度の高いポーズです。闇雲に努力を重ねたとしても、正しいアラベスクを身に付けることは難しいでしょう。

また、前段で正しいアラベスクの特徴を4点に抜粋してご紹介しましたが、頭の中で正しいアラベスクをイメージできたとしても、それだけで正しいアラベスクを身に付けることはほぼ不可能です。

正しいアラベスクを習得するためには、上達するためのコツを抑え、地道に努力を重ねていく必要があるでしょう。ここでは、きれいなアラベスクのコツについて、2つポイントからご紹介します。

①ストレッチなどで背中の筋肉を使う感覚を掴む

まず1つ目は、ストレッチなどを通して背中の筋肉を使う感覚を掴むことです。アラベスクにおいて、背中の筋肉を正しく使えるかどうかは非常に重要なポイントです。

慣れていない方やブランクのある方の場合、いきなりポーズからレッスンをはじめても、背中の筋肉を使うという感覚が掴めていないため、脚を上げている方の背中に力が入ってしまったり、両肩が水平を維持できなかったりなど、上手くアラベスクできない可能性があります。

まずは、背中の筋肉を使う感覚を養うためのストレッチを行い、「背中ってこうやって使うのか!」という気付きを得ましょう。そうすることで、ポーズのレッスンを行った際も背中の筋肉を上手に使えるようになります。

②背中の柔軟性と筋力を高める

2つ目は、背中の柔軟性と筋力を高めることです。バレエにおいて柔軟性が重要であることは周知の事実ですが、アラベスクでは特に背中の柔軟性と筋力を求められます。

何故なら、正しいアラベスクは上体を立たせ、きれいに保つ必要があるからです。上げている脚の角度が一定の位置を超えると、それに伴って骨盤が前に倒れていきます。骨盤を前傾させると脚を上げやすくなるからです(このとき、骨盤を倒して脚を上げようとするのはNG。脚を上げる過程で自然と骨盤が前傾していくのが理想)。

ただし、背中の柔軟性と筋力が低い場合、骨盤の前傾に伴って、上体が腰から折れてしまうことがあります。腰が折れている状態は美しく見えないため、上体をきれいに保つためには「胸から身体を起こす」必要があるのです。

また、背中の柔軟性や筋力に乏しい場合、姿勢を保つことそのものが苦しく感じてしまうこともあります。背中の使い方が重要なポーズであるため、正しく行うためには背筋や柔軟性も強く柔らかくなければいけません。

アラベスクに関する疑問 Q&A

アラベスクに関する疑問について、当メディアのマスコットキャラクターであるバレ子ちゃんに答えてもらいました!

※ バレ子の回答はひとつの可能性を示唆しているに過ぎないため、参考程度にお考え下さい。

アラベスクの脚が上がらないんだけど、なんでなのかしら?

背筋と柔軟性が足りないかも?
背中の筋力と柔軟性が足りないのかもしれないね! アラベスクの脚を高く上げるためには、背筋と背中の柔軟性が必要不可欠だから、エクササイズやストレッチでそれらを強化してみるといいと思うよ♪

どうしても膝が曲がってしまうのよね……

膝だけを意識すると力みやすいよ!
人間は意識したところに力が入りやすいから、膝を伸ばそうと思うと逆に力みが入って曲がってしまうことがあるの。だから、膝を直接意識するのではなくて、手先からつま先まで長い線を描くように引っ張り合うことを意識するといいかもしれないよ♪ そうすると自然に膝が伸びてくれると思うから☆

腰が詰まる感じするんだけど、どうすれば直せるのかしら?

重心を前に意識して身体を引っ張る感覚でやってみよう♪
腰が詰まってしまうのは、重心が後ろに傾いているせいかも! 重心を前に意識して、身体を前後に引っ張るような感覚でやってみると、伸びやかさが出て腰が詰まる感覚も解消されると思うよ☆ 特にピケ・アラベスクは立ったときに重心が後ろに残りやすいから、意識して重心を前に出すようにしてみてね。もしそれでも腰が詰まるようなら、お腹周りの筋力が足りていないのかも……腹筋や骨盤の筋肉を鍛えるとやりやすくなるよ♪

正しいアラベスクを身に付けてバレエを楽しもう

いかがでしょうか。アラベスクについて、種類や正しいやり方、上達のコツをご紹介しました。アラベスクはあらゆるヴァリエーションで使われるだけでなく、一般の方にも幅広く認知されており「バレエの象徴」といえるようなポーズです。しかし、アラベスクの習得は決して容易なものではありません。難しいだけに、正しいアラベスクを身に付けることができれば、ダンサーとして大きな自信になるでしょう。


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