【海外】ドイツのバレエ団を5つご紹介!活躍している日本人ダンサーの情報も掲載
ドイツはバレエ大国と言われ、主要都市のほとんどは公立の劇場が設置され、音楽やオペラと並んでバレエやコンテンポラリーダンスが劇場付属のバレエ団や民間のダンスカンパニーとして多くの公演が上演されています。上演の活発さは、ロシアと並ぶ世界のバレエ大国であり、国内で240人の振付師、バレエマスター、1,600人の劇場所属バレエダンサーのほか、多数のフリーのバレエダンサーが活動しているとされています。(新書館「バレエ2002」による)
今回の記事では、数多くあるカンパニーの中から歴史ある5つのバレエ団(ベルリン国立バレエ団、ハンブルク・バレエ団、ドレスデン国立歌劇場バレエ団、シュトゥットガルト・バレエ団、バイエルン国立バレエ)について、カンパニーの歴史や特徴、活躍している日本人ダンサーについてご紹介します。
現在、ドイツの5つのバレエ団で活躍している日本人ダンサーの数は約15名です。日本人ダンサーの情報も交えて解説していきますので、是非ご参考にしてみてください。
※情報は、執筆当時(2021年11月23日時点)の内容です
CONTENTS
Staatsballett Berlin/ベルリン国立バレエ団
ベルリン国立バレエ団(英語:Berlin State Ballet)は、ベルリンを拠点とするドイツ最大規模のバレエ団です。2004年に、ベルリンにある「ベルリン国立歌劇場」「ベルリン・ドイツ・オペラ」「ベルリン・コーミッシェ・オーパー」の3つの歌劇場のバレエ団を統合して誕生しました。
設立時の芸術監督は、世界各国のバレエ団でプリンシパルとして活躍してきた「ウラジーミル・マラーホフ」が就任(~2014年)し、ポリーナ・セミオノワなど、世界各国から実力派ダンサーが多く入団し、ヨーロッパで最も勢いのあるバレエ団です。
日本人ダンサーは、過去プリンシパルとして、中村祥子さん、デミ・ソリストに寺井七海さん、コール・ド・バレエに針山愛美さんなどが在籍していました。現在は、ソリストに奥村彩さん、デミ・ソリストに菅野茉里奈さん、井阪友里愛さん、コール・ド・バレエに井関エレナさん、川西真理さん、松本有加さん、中島実紀さん、巣山葵さんの計8名が在籍し、活躍しています。
名称 | ベルリン国立バレエ団 |
創立 | 2004年 |
拠点 | Richard-Wagner-Straße 10, 10585 Berlin, ドイツ |
団員数 | Principals 6名 Principal Guest Artist 3名 Soloists 14名 Demi Soloists 19名 Corps de Ballet 35名 |
沿革 | 2004年 3つのオペラハウスが統合され、ベルリン国立バレエが誕生 2004年 ウラジミール・マラーホフが芸術監督に就任(~2014年) 2006年 中村祥子がソリストとして入団 2007年 中村祥子がプリンシパルに昇格(~2013年まで在籍) 2014年 ナチョ・ドゥアトが芸術監督に就任(~2019) 2019年 ヨハネス・オーマン、サシャ・ヴァルツが芸術監督に就任 |
主なレパートリー | ■クラシック・バレエ/ネオクラシカル・バレエ 「白鳥の湖」 「La Esmeralda」 「La Péri」 「オネーギン」 ■コミック・バレエ 「オズの魔法使い」 「眠れる森の美女」 ■コンテンポラリー・バレエ 「Caravaggio」 「白雪姫」 他 |
参考文献
・ウィキペディア(ベルリン国立バレエ団)
Hamburg Ballett/ハンブルク・バレエ団
ハンブルク・バレエ団(英語:Hamburg Ballett)は、ドイツのハンブルク州立歌劇場を拠点とするバレエ団です。1973年から、振付家のジョン・ノイマイヤーが芸術監督兼首席振付家を務めています。ノイマイヤーは、150を超える作品を創作し、同バレエ団を、ドイツを代表するカンパニーに一つへと成長させました。また、ハンブルク・バレエ団のみならず世界中のバレエ団に作品を提供しており、日本の「東京バレエ団」に「月に寄せる七つの俳句(1989年)」や、フランスの「パリ・オペラ座バレエ団」に「シルヴィア(1997年)」などを振り付けています。
附属の組織として、「ハンブルク・バレ学校」と「ナショナル・ユース・バレエ」があり、「ハンブルク・バレエ学校」は1978年に設立され、ノイマイヤーが校長を務めています。講師の多くはハンブルク・バレエ団の出身者で、クラシックバレエの他、モダンダンスや振付、フォークダンス等の幅広いダンスを学ぶことができます。同バレエ学校の出身者は、ハンブルク・バレエ団をはじめとする世界中のバレエ団で活動しています。「ナショナル・ユース・バレエ」は、2011年に設立された、同バレエ団のジュニア・カンパニーです。18歳から23歳までの若手ダンサーが所属し、こちらもノイマイヤーが総監督を務めています。
日本人ダンサーは、過去東洋人初のソリストとして服部有吉さんが在籍していた他、大植真太郎さん、大石裕香さん、有井舞耀さん、平木菜子さんなどが在籍していました。現在は、2019年に日本人で初めて最高位であるプリンシパルに昇格した菅井円加さん、アパレンティスに加藤あゆみさんが在籍し、活躍しています。
名称 | ハンブルク・バレエ団 |
創立 | 1973年 |
拠点 | Caspar-Voght-Straße 54, 20535 Hamburg, ドイツ |
団員数 | Principals 11名 Guest Artist 1名 Character Dancer 1名 Soloists 12名 Corps de Ballet 31名 Apprentices 9名 |
沿革 | 1973年 設立 1973年 「Ballet Workshop」開催(定期的に開催されている一般市民向けの講座) 1975年 「Hamburg Ballet-Days(バレエ公演)」を開催。以降、毎年開催 1978年 「ハンブルク・バレエ学校」設立 2003年 「服部有吉」が東洋人初のソリストに昇格 2011年 「ナショナル・ユース・バレエ」設立 2012年 「菅井円加」がナショナル・ユース・バレエに入団 2015年 「ジョン・ノイマイヤー」が日本の国際賞である第31回京都賞思想・芸術部門を受賞 2019年 「菅井円加」が日本人初のプリンシパルに昇格 |
主なレパートリー | ■ジョン・ノイマイヤー振付作品 「マーラー交響曲第3番」(1975年) 「幻想 ~”白鳥の湖”のように」(1976年) 「真夏の夜の夢」(1977年) 「眠れる森の美女」(1978年) 「マタイ受難曲」(1981年) 「アーサー王伝説」(1982年) 「ジゼル」(1983年) 「オテロ」(1985年) 「お気に召すまま」(1985年) 「ペール・ギュント」(1989年) 「スプリング・アンド・フォール」(1991年) 「シンデレラ物語」(1992年) 「オデュッセイア」(1995年) 「ニジンスキー」(2000年) 「かもめ」(2002年) 「ヴェニスに死す」(2003年) 「リリオム」(2011年) 「タチヤーナ」(2014年) 「アンナ・カレーニナ」(2017年) 「ベートーヴェン・プロジェクト」(2018年)他 |
参考文献
・ウィキペディア(ハンブルク・バレエ団)
・ウィキペディア(ジョン・ノイマイヤー)
Dresden SemperOper Ballett/ドレスデン国立歌劇場バレエ団
ゼンパー・オーパー・バレエ[ドレスデン国立歌劇場バレエ団](英語:Dresden SemperOper Ballett)は、ドイツ東部のザクセン州の州都ドレスデンに位置し、拠点となる劇場は、「ゼンパー・オーパー」(オーパーはドイツ語でオペラの意)の愛称で親しまれているザクセン州立歌劇場(旧称:ドレスデン国立歌劇場)です。
この劇場は、建築家ゴットフリート・ゼンパーの設計により建設され、ゼンパーの名前が冠となっており、数多くの歴史的建築物が並ぶドレスデンにおいて、圧倒的な存在感と人気を誇っています。
2006年8月にアーロン・S・ワトキン(Aaron S. Watkin)が芸術監督に就任し、古典バレエとコンテンポラリー作品を上演しています。
日本人ダンサーは、過去、竹島由美子さん(レオタードブランドYUMIKO創設者)、浅見紘子さん、戸川有香さん、橋本清香さん(現:ウィーン国立バレエ団最高位)、などが在籍していました。現在は、2021年にプリンシパルに昇格した藤本佳那子さん、セカンド・ソリストに綱木彩葉さん、コリフェに山田夏生さん(2022年1月よりKバレエカンパニーにソリストとして入団予定)、コールド・バレエに杉浦杏理さんの計4名が在籍し、活躍しています。
名称 | ドレスデン国立歌劇場バレエ団 |
創立 | 1825年頃 |
拠点 | Theaterplatz 2, 01067 Dresden, ドイツ |
団員数 | Principals 10名 Principal Character Artists 4名 First Soloists 5名 Second Soloists 12名 Coryphées 11名 Corps de Ballet 19名 Apprentices 6名 |
沿革 | 2006年 アーロン・S・ワトキン(Aaron S. Watkin)が芸術監督に就任 2006年 竹島由美子がプリンシパルとしてオランダ国立バレエから移籍(~2014年) 2017年 藤本佳那子がセカンド・ソリスト 昇格 2018年 藤本佳那子がファースト・ソリスト 昇格 2021年 綱木彩葉がセカンド・ソリスト 昇格 2021年 藤本佳那子が最高位プリンシパル 昇格 |
主なレパートリー | 「白鳥の湖」 「くるみ割り人形」 「眠れる森の美女」 「カルメン」 「ジゼル」 「ラ・バヤデール」他 |
参考文献
・ウィキペディア(ゼンパー・オーパー)
Stuttgart Ballet/シュトゥットガルト・バレエ団
シュトゥットガルト・バレエ団(英語::Stuttgart Ballet)は、ドイツのシュトゥットガルトに拠点を置くバレエ団です。その歴史は古く、1609年に創設されたヴュルテンベルク公の宮廷バレエ団にまで遡り、1961年に当時英国ロイヤル・バレエ団の振付家だったジョン・クランコが、シュツットガルト・バレエ団の芸術監督として招かれ現代的な組織として再設立されました。
1969年、初のニューヨークツアーは3週間にわたって行われ、大成功を収め、現代的なダンス・カンパニーとしては設立間もなかったシュトゥットガルト・バレエ団に国際的な名声をもたらしたそうです。「オネーギン」をはじめとするジョン・クランコ制作の長編バレエの成功により大きく発展し、1981年にはダンス分野における卓越した業績に対してローレンス・オリヴィエ賞を受賞しています。
ジョン・クランコは、若いダンサーがバレエ団との緊密な関係の中で学べるバレエ学校を作ることを構想して、1971年に、傘下のバレエ学校として「ジョン・クランコ・スクール」を設立しました。現在は、タデウシュ・マタッチが校長を務めています。
日本人ダンサーは、過去、木村規予香さん、坂本香菜子さん、藤井彩嘉さん、森田愛海さん(プリンシパル)などが在籍していました。現在は、コール・ド・バレエとして雨宮瑞季さんが在籍し、活躍しています。
名称 | シュトゥットガルト・バレエ団 |
創立 | 1961年 |
拠点 | Oberer Schloßgarten 6, 70173 Stuttgart, ドイツ |
団員数 | Principals 11名 Soloists 6名 Demi Soloists 15名 Corps de Ballet 32名 Apprentices 8名 |
沿革 | 1961年 振付家ジョン・クランコによって再設立 1969年 初のニューヨークツアーを実施 1971年 ジョン・クランコ・スクールを設立 1973年 ジョン・クランコが急逝 1973年 グレン・テトリーが芸術監督に就任(~1975年) 1976年 マルシア・ハイデが芸術監督に就任(~1985年) 1981年 ローレンス・オリヴィエ賞を受賞 1982年 木村規予香がソリストとして入団 1996年 リード・アンダーソンが芸術監督に就任 1996年 坂本香菜子が入団(~2002年) 2009年 森田愛海が入団 2016年 藤井彩嘉が入団(~2017年) 2017年 雨宮瑞季が入団 2018年 森田愛海がプリンシパルに昇格(~2020年) |
主なレパートリー | 「ロミオとジュリエット」 「オネーギン」 「眠れる森の美女」 「瀕死の白鳥」 「Pure Bliss」 「CREATIONS VII-X」 「THE TAMING OF THE SHREW」 「ANGELS AND DEMONS」 「MAYERLING」他 |
Bayerisches Staatsballett/バイエルン国立バレエ
バイエルン国立バレエ(ドイツ語: Bayerisches Staatsballett)は、ドイツ連邦共和国バイエルン州の州都ミュンヘンを拠点とするバレエ団です。別名、バイエルン州立バレエ、ミュヘン・バレエ団とも言います。
1988年、それまでバイエルン国立(州立)歌劇場に付属していたバレエ団が独立する形で設立されました。設立時、同バレエ団のかつてのプリマであり、独立に尽力したコンスタンツェ・ヴェルノンが初代芸術監督を務めました。レパートリーは、ロマンティック・バレエ、クラシック・バレエ、モダン・バレエまで幅広く、特にジョン・クランコやジョン・ノイマイヤーの作品等、21世紀までの80以上の作品のレパートリーを持っています。
1998年には、元ハンブルクバレエ団のプリンシパルのイヴァン・リシュが2代目の芸術監督に就任し、2016年よりマリインスキー・バレエ団のプリンシパルやロイヤル・バレエとニューヨーク・シティ・バレエ団にも在籍してきたスターダンサーであるイーゴリー・ゼレンスキーが3代目の芸術監督に就任しました。
附属のバレエスクールとして、ミュンヘン州立・バレエ・アカデミー(Ballett Akademie München)を有しており、シュトゥットガルトのジョン・クランコ・バレエ学校、ハンブルクのジョン・ノイマイヤー・バレエ学校と並んで、ドイツの三大バレエ学校とされています。
日本人ダンサーは、過去、波多野渚砂さん、河野舞衣さん、川添智香さんなどが在籍し、活躍ていました。
名称 | バイエルン国立バレエ |
創立 | 1988年 |
拠点 | Max-Joseph-Platz 2, 80539 München, ドイツ |
団員数 | Principals 10名 First Soloists 4名 Soloists 11名 Corps de Ballet 33名 Character Dancers 8名 Trainees 9名 Scholaship Holders 7名 |
沿革 | 1988年 設立 1988年 コンスタンツェ・ヴェルノンが初代芸術監督に就任(~1998年) 1998年 イヴァン・リシュが2代目芸術監督に就任(~2016年) 2011年 河野舞衣がドゥミ・ソリストに昇格 2016年 イーゴリー・ゼレンスキーが3代目芸術監督に就任 |
主なレパートリー | 「シンデレラ」 「Jewels」 「DER SCHNEESTURM (THE BLIZZARD)」 「真夏の夜の夢」 「牧神の午後」 「シェヘラザード」 「ラ・バヤデール」 「ロミオとジュリエット」 「幻想 白鳥の湖のように」 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」 「くるみ割り人形」 「Biped」 「UNITXT」 「Migratory Birds」 「バレエの情景」 「イザドラ・ダンカン風の5つのブラームスの踊り」 「春の声」 「大地の歌」 「Goldberg Varations」 「Gods & Dogs」他 |
参考文献
・ウィキペディア(バイエルン国立バレエ)
・ウィキペディア(ミュンヘン・バレエ・アカデミー)
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